バイクや車を運転していてムチャクチャな走り方をする自転車に、ひやっとしてイラッとして、はね飛ばしたりはしませんが、頭の中でやってます。
　スマホ見ながら音楽聞いて、逆走に信号無視、一時停止はもちろん不停止。毎日こんな運転していてよく事故らないものです。白い自転車のおまわりちゃんも、Uターンや一時停止の違反でせっせと青キップを切っていますが、その脇を自転車が逆走しても一切おとがめなし。といいますか、逆走して帰っていきました……やりたい放題、いいたい放題の某国並に困ったもんです。
　マニアックバイク博士の濱矢先生が言った「自転車を見たらRPGだと思え」は交通標語コンクールで金賞が取れる後世に残る名言です。

　
　昨年12月道路交通法が改正されました。ブレーキに関する規定の変更と、路側帯の逆走が禁止になりました（自転車通行可の歩道は逆走可）。ノーブレーキはともかく、普通に自転車に乗っているぼうや、おばはんに路側帯と言っても「なにそれ？」でしょうけど。法を作って魂入れず。まさにお役所仕事です。
　今後、路側帯を逆走すると3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金。反則金制度はありませんから、検挙=即起訴で前科者になるかもしれません。とはいえ、よほど目に余る常習か悪質でない限り「たかが自転車」「たかが逆走」で起訴されることはないでしょう（たぶん）から、結局何も変わらず……順逆無一文の小宮山主筆が一刀両断してくれることを期待し、ド素人の戯れ言はこのへんにしておきます。

　ルールを守って正しく乗れば、楽しく便利でエコな自転車に、ないと困るのがサドル=椅子。総理の椅子が欲して新聞を賑わす政治家同様、過激なサドル愛好家も時々新聞沙汰を起こしますが、椅子など不要が立喰・ソ。なのに昨今のチェーン店、新規店は椅子付きが当たり前で、立喰・ソと椅子の関係が大きな問題になっています（どこで？）。たかが椅子で何を大げさなと思われるでしょうが、椅子常備店はもしかすると立喰・ソではなく「安めの価格設定の一般そば屋です」というスタンスだとしたら、立喰・ソ存在存亡の大問題なのです。というわけで今回は「椅子があるのに立喰・ソ」という難題に、医師免許も調理師免許も持っていないのにメスを入れようと思います。

　そもそも立喰・ソとはどんな形態の店舗でしょう。研鑽を重ねる諸先輩方は自らルールを制定し、それに則った活動をされております。ルールあっての研究です。そうですよね割烹着のリーダー（めげずに今後もがんばってください！）。当たり前ですが、言うとやるとは大違い。もちろん私の場合は……むにゅむにゅ……さあ、ウイキ先生に聞いてみましょう。

●参照というかフルパクリ→http://ja.wikipedia.org/wiki/立ち食いそば・うどん店

「立ち食いそば・うどん店（たちぐいそばてん・うどんてん）は、そばやうどんなどを立ち食いさせる飲食店である。」

　ですよね〜。では、椅子のある店は？　

「店によっては立ち食いではなく、カウンターに簡易椅子を設け、腰掛けられるようになっている場合や、さらには一部テーブル席を置いている場合もある。」

　
　と、すると簡易的でない椅子は？　一部じゃない全面テーブル席の場合は？　先生、やはり立喰・ソじゃないんですか？　と詰め寄っても即答してくれませんので、うやむやにして先に進みます。要約すると基本的にはこんな店です。

●カウンター越しに注文し、カウンター越しに受け取る。
●商品と引き換えに現金手渡が標準的。昨今は衛生上の指導等により食券を使用する店舗も増えている。
●主流はゆで麺だが、昨今は生麺、冷凍麺も増えている。
●つゆは一般店とほぼ同様。
●天ぷらはかき揚げの場合が多い。

　　
　他にもへえ〜な情報満載。さすが先生。ぜひ御一読を。当駄コラムを読み続けるより有益であることは「火を見るより明らかです」（←間違った使い方。明らかに悪い方向に向かう場合に使うのが正解。すこしタメになったねえ。だから読み続けてください）。

　ここで問題です。次のうち、立喰・ソはどれでしょう？

　
①国産十割そば粉使用の本格手打ちそば。もり1枚1200円。天ぷらそばは車海老が2本入って2800円。テーブル席はなく立ちカウンターのみ。うどん、ごはんものの扱いは一切ない。営業時間17時〜20時。会計は代金引換え。主の作務衣着用率80パーセント以上。

②全席4人掛けのテーブル席で店員さんによる配膳&片付けあり。かけ280円。天ぷらそば（かき揚げ）400円。いなり1個60円。営業時間7時〜20時。料金はレジで後払い。まんが、新聞常備率45パーセント。

③24時間営業で500〜800円級定食がメイン。テーブル席と椅子付きカウンター。かけ350円。天ぷらそば（かき揚げ）500円。セルフ&食券方式。おばちゃんのパート率99パーセント。

④メインは弁当、惣菜販売だが、店の一角にテーブル1つ+椅子4つのイートスペースがある。かけ240円。天ぷらそば（野菜の天ぷらお好みで2つ）380円。代金引換のセルフ。営業時間は10〜14時。なぜか常にお店のおばあちゃんがテーブルの一角を占めている確率72パーセント。

⑤全席テーブル椅子付き。配膳付で伝票をレジに持っていく後払い。手打ちではない生そば使用でかけ600円。天ぷらそば（バナメイエビの海老天1本）850円。丼類充実。夏はそうめん、冬は鍋焼きうどんあり。出前もあり。営業時間11時〜19時30分（14時〜16時は休み）。困ったことに店名が「生蕎麦処　立ち食いそば」。岡本信人風の店員在籍率8パーセント以下。

　①④は立喰・ソ。②は一般店。③は前回お伝えしたコーワのようなグレーゾーン。⑤についてはとんち好きの見習い和尚にしてやられたようでくやしいですが、立ち食いそばという名前の普通のそば屋ということになります。ウソのような話ですがこんなお店が某所にあります（現在は不明）。
　形態的に見ればそのとおりですが、①を立喰・ソというのはいかがなものか。②を一般店とするのもまたしかり。②のようなお店は何軒かありますが、諸先輩方もちゃんと立喰・ソと認定されておりますし。

　いきなり結論です。
　問題は椅子の有無ではなく価格だったのです。
　驚きましたか？　やっぱり驚きませんか、そうですか。でも先に進みます。一般的に立喰・ソと認定（認識）できる価格は、かけそば300円あたりまで。350〜400円はグレーゾーン。500円オーバーはおまえのかーちゃんでべそです、が、※第24回の立喰・ソNEWSでお伝えした日本一、いや、たぶん世界一高所にある立喰・ソとして有名な標高2450mの室堂バスターミナル内のTそばの最安値はきつねそば700円〈2012年夏調査時〉。あげ一枚で+450円か？　と思われるでしょうが、標高も標高ですし例外ということで、立喰・ソと認めてやってくださいまし。そうしないと、一番高いところにあるお店を探さねばならないので。

　形態だの価格だのご託ばかり並べよってからに、このすっとこどっこいが。と言うことで、ならばいっそ違う名前にしてしまえというコロンブスの月見そば的発想からか、昨今では「路麺」（ろめん）という呼び方も定着してまいりました。もちろん私ごときが反対する理由はございません。が、44回も立喰・ソと言い張ってきた手前、今さら引っ込みが付かないといいますか、それこそ当コラム存亡の危機になります。そろそろみなさまも飽きてくる頃合いでしょう。最終結論です。

　
　立ち喰いそば=立って食べるという硬直した解釈ではなく、ぱぱっと簡単に済ませる=ファストフードであると現実的に意訳すればいいんです。

　
　安易な結末ですが、これでよろしいでしょうか？　
　この解釈により、全ての立喰・ソに椅子が設置される日が来ても、立喰・ソは永遠に不滅なのです。
　まいったか。まいりました（私が）。